Tracersグローバル2倍株(地球コンプリート)

投資

大切なのは間違いなく「確信の持てる投資家」であることでしょう。自分の知らないことや理解できないことに安易に手を出し、大金を注ぎ込むと、悪い結果になりがちです。

デイヴィッドM.ルーベンシュタイン. 世界の天才に「お金の増やし方」を聞いてきた (pp.140-141). 文響社. Kindle 版. (Amazon)

世界的な投資会社ブラックストーン社の社長兼COOジョン・グレイはこのように述べています。

この言葉にもあるように、自分が投資する対象を詳しく知ることで、投資の成功確率を高めることができると思います。この記事では、積み立て投資しているTracersグローバル2倍株(地球コンプリート)の概要を紹介します。

※最新の情報は日興アセットマネジメント社のウェブサイトを確認ください。

Tracersグローバル2倍株(地球コンプリート)とは?

  • 運用会社: 日興アセットマネジメント
  • 投資先:
    • 市場規模や流動性、取引規制などの投資環境を考慮して、日興アセットマネジメントが投資可能と判断した世界各国の株式へ分散して投資
    • 各国への投資比率は株式市場の市場規模を考慮して決定
    • ただし、1ヵ国への投資割合(建玉時価評価額を含む各資産の合計)は、純資産総額比で100%程度を上限
  • グローバル2倍株式マザーファンドを介して投資
  • 設定日: 2021年12月15日
  • 償還日: 無期限
  • 信託報酬率: 0.1991%(年率・税込) 

実質コストは?

2022年11月17日~23年11月16日の運用報告書にもとづくと、実質コストは0.438%です。NASDAQ100の2倍レバレッジ投資信託のなかで最安コストのauAMレバレッジ NASDAQ100の実質コストが0.544%なので、レバナスに比べると低コストです。

Tracersグローバル2倍株は、レバレッジ投資信託のなかでは低コストだと思います。今後も、Tracersグローバル2倍株の実質コストをWatchしていきます。

また、他により低コストな全世界株式レバレッジ投資信託が出てくることを楽しみにしています。

Tracersグローバル2倍株のコスト:

(参考)auAMレバレッジ NASDAQ100のコスト:

運用実績は?

直近1年間の騰落率は+42%です。

期間は多少異なりますが、直近1年間のauAMレバレッジ NASDAQ100の騰落率が+47%なので、Tracersグローバル2倍株はこの期間ではレバナスとほぼ同じリターンでした。

Tracersグローバル2倍株の運用実績(2024年12月マンスリーレポート):

(参考)auAMレバレッジ NASDAQ100の運用実績(2024年11月月報):

組入れ銘柄は?

2024年12月マンスリーレポートでは、国・地域別の割合は米国株99.4%、新興国株33.8%、欧州株23.4%です。トータル200%のなかでの割合です。

2024年4月マンスリーレポートでは、米国株100%、新興国株32%、欧州株25%だったので、新興国株の割合が+2%ほど増加しています。

運用方針のとおり、1ヵ国の割合は上限100%までに抑えられていることがわかります。

グローバル2倍株式マザーファンドとは?

Tracersグローバル2倍株はグローバル2倍株式マザーファンドを介して運用されています。では、グローバル2倍株式マザーファンドはどのように運用されているのでしょうか。

  • 日本を含む世界各国の株式市場の動きをとらえる指数への連動を目指す上場投資信託証券に投資する
  • 日本を含む世界各国の株式市場を対象とする株価指数先物取引に係る権利にも投資する
  • 具体的な組入れ資産はこちら。(2023年11月26日時点)

なぜグローバル2倍株に投資するのか?

全世界株式の価格は、長期的には成長を続けると考えています。

これからの投資期間が20年以上あるときから世界株式へのエクスポージャーを多く持つことで、時間分散を行いたいので、グローバル2倍株に投資しています。

投資で分散を使える軸は2つしかない。資産の分散、そして時間の分散だ。

(中略)

これまでのところ、投資家たちは時間の分散投資が持つ潜在的な価値をまだ十分に評価していない。時間の分散投資のメリットは資産の分散投資のメリットよりさらに大きい。理由は単純で、年ごとのリターン間の相関は、銘柄ごとのリターン間の相関よりも小さいからだ。

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何がリスクか?

グローバル2倍株の50%は米国株式なので、米国の金利が上がるとグローバル2倍株式の評価額も下がると思います。

また、レバレッジ投資信託では先物取引を使い、先物取引には短期金利相当の金利コストがかかり、2倍レバレッジでは、純資産の2倍の先物を組み入れるので、短期金利の影響も2倍受けます。金利が高いほど高コストになります。

一部為替ヘッジがかかっているので、円安が進み続ける場合は、為替ヘッジなしの投資信託に比べて、円建てのリターンが低い可能性があります。

レバレッジ投資信託のなかでは、低コストな部類だと思いますが、それでも0.438%の実質コストがあります。より低コストな全世界株式レバレッジ投資信託が登場すれば、そちらに切り替える可能性はあります。

レバレッジ投資信託の特性として、ボックス相場では評価額が逓減するリスクがあります。

この手のファンドはいつでもレバレッジが2対1になるように、ポートフォリオのリバランスを毎日やっている。そうして出てくるリターンは、月に1度とか年に1度とかでリバランスしてレバレッジを2対1した場合のリターンと、ぜんぜん違ってくる。具体的にいうと、市場が上がったり下がったりを繰り返すと、そのせいでこの手のファンドのパフォーマンスは大幅に悪くなる。

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参考・引用:

  • Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)のウェブサイト: URL
  • イアン・エアーズ; バリー・ネイルバフ. ライフサイクル投資術 お金に困らない人生をおくる (日本経済新聞出版) : URL
  • 山崎元さんと、Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)開発者の対談: URL
  • auAM レバレッジ NASDAQ100のウェブサイト: URL

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