背景と目的
書籍『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』(Amazon)とブログ記事「自分専用の「200の行動指針」をつくったら、人生がうまくいきはじめた」を読んで、行動指針を言語化しまとめることはとても良い取り組みだと思ったので、私も行動指針をまとめてみます。
私が行動指針を書く目的は、
- これまでの経験、学び、価値観を内省し棚卸することで、自分の指針を整理し、自分への理解を深め、指針を日々体現すること、
- 言語化することで、見返せるようになるので、振り返りを促進して、改善改良を積み重ねること
です。その目的で、「私の行動指針(My Principle)」を書きます。経営資源の大まかな分類に合わせて、人、モノ、カネ、情報、時間のカテゴリで書きます(参考)。粒度はバラバラ、時には互いに矛盾する内容もでてくると思います。
不定期に見直します。
私の行動指針:人
- 「People First」のマインドでコミュニケーションする。
- 仕事もプライベートも、相手があってこそ
- 人が戦略を作る、戦略に魂を込めるのも人
- 人を動かすのも人
- 「考える」「気持ち」で終わらず、コミュニケーションや言動で表す
- まず他人にとっての意味を考える。
- その仕事が、その人にとっての成長につながるのか?
- 相手のキャリアにとって何がベストなのか?私がどんな機会を提供できると、相手のキャリアに役立つか?
- 自分は①タスクや事象を分解し、②人のCapacity/Workload、Capability、③人の成長・・・という順序で考えがち。他の人と働くとき、行動するときは、この順番を逆転させる。
- お礼を伝える
- 自分にとって「やって当たり前」のようなことでも、相手がAd-hocにやってくれたことや自発的にやってくれたことなど、きちんと言葉でお礼を伝える。
- 1on1などで個別に伝えるか、他の人がいるところで伝えるかは相手や内容による。
- 相手の成長を、言葉で伝える
- 良い変化を、ポジティブに伝えることで、自発的な成長を促す。
- 成長そのものを促すように言葉でコミュニケーションするのは、相手とタイミングを慎重に見極める。たいていの場合、相手から求められた場合、またはよほど深刻な場合に限る。
- 自分が間違っていたら謝る
- 意地を張らない。うやむやにしない。
- 自分が明確に間違っているわけでなくても、自分のコミュニケーションで余計な手間を発生させたり、相手の成果物が大きくずれていたら、自分のコミュニケーションが不十分だったことを伝え、謝る。
- 自責でコミュニケーションする。
- 自己責任の部分に注目する。
- 勝間和代さんの「できる人の定義はたったひとつ」のYouYube動画も参考。
- まずは自己責任でコミュニケーションする。言い換えると、オーナーシップ。
- 自分がコントロールできる範囲とそうではない範囲を明確にしていく。ただしその線引きは固定されているわけではなく、TPOやステークホルダーによって変わるので、状況に応じて調整・確認する。
- かっこつけない
- 自分は成長できる人間だと思うけれど、優れた人間ではない。ましてや、みじんもかっこよくない。
- かざらず、自分らしく。
- 誰かの悪口を言わない
- デール・カーネギーの『人を動かす』(Amazon)も参考。
- 自分のストレスを、誰かに八つ当たりしない
- ストレスがかかっているときはとくに、自分より弱い立場の人に強く当たることがあったので絶対やらない。注意。
- 違う考えを否定せず、その考えの意図や目的を尋ねる
- いきなり否定しない
- 表現や手段が違うだけで、目指すところは同じことも多い
- その場にいる、ステークホルダー一人ひとりの考えを確認する
- これは、私が一人のリーダーの姿勢を見て、自分もそうしたいと思ったこと。「XXさんはどうですか?」のように、一人ひとりに尋ねる姿勢を尊敬。
- 違う考えから学ぶ
- 他者の強みから学ぶ
- 誰もが強みと弱みを持っている。
- 他人の弱みに目を向けて批判するようになると自分の成長が止まるので要注意。
- 「負ければ誰でも嫌な思いをします。失敗はいやなものです。そうして劣等感をつのらせ、否定的なセルフイメージを持つと、人はもう苦しみたくないと感じます。そうすると、人は自分より低い相手と自分を比較しようとします。誰かを馬鹿にし、いじめ、ゆがんだ優越感を持とうとします。一方、悔しさをしっかり味わえる人は、成長するために、自分より上の人と比較をしようとします。」(「8000回の悔しさ」の心理学:あなたもイチローのようになるために)
- 他人は成長するが、自分が他人を成長させることはできない
- 成長させようと働きかけすぎて過大なプレッシャーをかけてしまった失敗がある。
- 将来の出来事を予測し、そこから想定されるアクションを可視化・共有する
- 人は、突発的な対応が続くと疲弊する
- 予見性をもって仕事できる環境を作る
- まずは、自分自身が将来を予見する
- 過度な期待をさせない
- 人は結果的に同じことを経験するにしても、より良い結果を期待し結果とのギャップが大きかった時のほうが失望する
- できないことはできない、過度な期待をさせない
- (自分が)変化し続ける
- ついつい慣れていること、特異なことに時間を使いがち。新しいことに時間を使う
- 〇 Growth Mindset、× Fixed Mindset
- キャリはLearning Journeyと考える。
- 自分の弱み、失敗、プレッシャーと向き合う
- 向き合うことを諦めない
- 気分転換は大事。気分転換してからまた戻ってくる。
- 「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」(イチロー氏)
- 他者からどう見られたいか、意図的にブランディングする
- 自分から、他者から自分へのFBをとりにいく
- オープンマインドであることが、自分の成長につながる。
- クローズドマインドだと、成長が止まる。
- 定期的に振り返りを行う
- 振り返りこそが学びにつながり、成長につながる。
- 計画と実際の結果を振り返って、そこからの学びを得る。
- 少なくとも3カ月に1回。
- メンタルを健康に保つために、内省の時間を持つ
- 一人で静かに内省することで心が落ち着く
- メンタルを健康に保つために、フィジカルを健康に保つ
- 経験上、メンタルとフィジカルは互いに影響する。身体が元気なほど、精神も元気。
- 十分な睡眠
- ウォーキング
- 筋トレ
- 栄養バランスの取れた食事
- 迷ったらGO
- 会社以外に、複数の場に所属する
- やる気を奮い立たせる
- ストレスがたまったとき、やる気が出ないときは・・・
- 睡眠を長時間とる(やる気がないときはまず睡眠不足を疑う)
- すごく小さなことから始めて、それができた自分を認める
- xxxで苦しむ人々のことを考える
- 自分の家族のことを考える
- 仕事がない人々のことを考える(自分が恵まれていることを思い出す)
- 学校に通えない人々のことを考える(自分が恵まれていることを思い出す)
- これまでに自分が積み重ねてきた努力を振り返る(やる気というより自信?)
- ストレスがたまったとき、やる気が出ないときは・・・
-
私の行動指針:モノ
- 持つものは最小限にする。
- 物理的なものは少なくする。モノが多いほど、モノが散らかりやすい。散らかっているものが目に映ると、意識が(ごくわずかでも)もっていかれる。「片づけないと」「いやだな」など。
- 所有することに意味があるのか、あるいはそれ以外なのか考えて、所有するかどうか判断する。
- 例えば、私にとって本は学ぶことに意味があるのであって、所有すること自体にあまり意味はない。ただ、繰り返し読むような本は所有することで、繰り返し読みやすくなる。
- 自分がこだわらないものには、極力、意識やお金、時間を割かない。
- 例えば、洋服。そこに意識を使わない。
- 生産性を高めるツールには投資する。
- 例えば、洗濯機、ロボット掃除機、PCディスプレイ、など。
私の行動指針:カネ
- 経済的自由(Financial Independent = FI)を得るために、人的資本と金融資本の両方に投資する。
- お金のために仕事に縛られたくない
- 人的資本にしても、金融資本にしても、収入は生産性を重視する
- 生産性=アウトプット(提供した価値、得られた対価など)/インプット(費やした時間・お金など)
- 短期的な収入は最低限稼げれば、中長期的な収入を最大化する
- 短期的には経験や学びを優先する
- これは、年齢によっても変わると思う
- 手間をかけずに増やす。手間をかけないことを優先する。
- 投資ならインデックスファンドへの自動積立、など。手間をかけずにある程度のリターンを狙う。投資の方針はこちら。
- 複利で増やす
- 単年で膨大なリターンを期待しない。
- 継続的にリターンを得ることで、複利で資産を増やす。
- 複利で増えるものに投資する。
- 家計の管理も手間をかけずに、収入と支出、資産と負債を把握する。
- 家計簿アプリなどを活用して、手間をかけない。
- 自分が何からいくらお金を得ていて、何にいくら使っているのか把握しておく。把握したうえで、変えるかどうか(例:節約するかどうか、など)判断する。
- 本を買わない。
- 図書館で借りる。
- 繰り返し読む本だけ買う。
- 極力、投資にお金を使う。
- 経済的自由(Financial Independent = FI)を達成「したい」。
- 「お金の減らし方」を参考に。
私の行動指針:情報
- 複数の線が重なる仮説・推測を見出す
- 最初の上司から教わったこと
- 一つの事実から考察される線(仮説・推測)は多く考えられるが、複数の事実のそれぞれから考えられる仮説・推測が重なると、その仮説・推測は確度が高い
- 重要な情報はPCかスマホでメモを取る
- 経験上、書かずに頭で覚えておこうとすると、脳のリソースを覚えることに割いてしまって、思考に回せない。
- ただ、相手の目の前でPCに向き合っているのは感じが悪いので、メモを取ることを先に伝え、なるべく相手のほうを見る
- 紙のノートやホワイトボードでもよいけれど、後から見返しやすいように、写真を撮っておく
- 日常生活の中で思いついたことは、すぐにどこかに書き出す
- 経験上、すぐに忘れるので。自分の頭は覚えることに向いていない。とにかく書き出す。
- 『最高の脳で働く方法』を読んでも、この考え方は間違っていないように感じた(Amazon)
- 会議では、情報をホワイトボードやスライドなどに見える化しながら議論する
- 会議参加者が頭の中で情報を整理して話していると、互いの理解がずれてしまい、議論が空中戦になりやすい
- 相手が言わないことに着目する
- 表情やしぐさ、声のトーンなど、言葉以外から伝わることからも相手の真意を考える。
- 情報は可視化し、必要なステークホルダーがアクセスできるようにする
- 業務プロセス、ルール、など、複数のステークホルダーが共通の認識をもつ必要のあるものは可視化・言語化する
- 理解する側は確認する手間を減らせ、説明する側は何度も説明する手間を減らせる
- 深い思考や丁寧なコミュニケーションを必要とすることは、午前中に行う
- 午前に比べて、夜は集中力が落ち、謝った判断をする可能性が高い
- 情報は整理し、構造化したフォルダに格納する
- 資料を探す手間を減らし、見つけやすくする意図
- 資料の名前は規則性をもって、見つけやすいものにする
- 資料を探す手間を減らし、見つけやすくする意図
- 大きなところから小さなところへブレークダウンして情報を整理し、説明する
- 例えば、市場の構造から、その中の主要なポイントへ。
- 自分が初心者である部分を作る
- 謙虚になる
- 学習することで、幸福感を得る
- 「変化への適応力のなさは、日本の経済衰退の始まりか」も参考
私の行動指針:時間
- スマホでは、スマホでしかできないことをする
- やること(スマホの強みは、持ち歩けること)
- 外出先での支払い・決済(PayPayなど)
- 現在地から目的地へのルートの確認(Google Mapなど)
- 外国語の単語学習(単語アプリなど)
- やらないこと(スマホはついつい見続けてしまうこと、時間の消費になりがちなことに注意)
- SNS(X、LinkedInなど)
- Youtubeなど
- やること(スマホの強みは、持ち歩けること)
- 8時間以上寝る。
- 家族>仕事の優先順位で時間を使う。
- 逆に言えば、そういう時間の使い方ができる仕事をする。
最後に
繰り返しですが、
- これまでの経験、学び、価値観を内省し棚卸することで、自分の指針を整理し、自分への理解を深め、指針を日々体現すること、
- 言語化することで、見返せるようになるので、振り返りを促進して、改善改良を積み重ねること
を目的に「私の行動指針(My Principle)」を書きました。他の人には当てはまらないこともあると思います。
繰り返し見返しながらアップデートしていきます。
余談
ちなみに、行動指針=プリンシプル(Principle)と似た言葉で、フィロソフィー(Philosophy)という言葉を聞くことがあります。行動指針とフィロソフィーの違いを調べました。私が書きたいのは、私の個人的な経験と学び、価値観に基づく私の行動指針です。主観的という意味ではフィロソフィー、実用的という観点ではプリンシプルに近いと思います。したがって、他の人にとって当てはまる行動指針ではないという意味も込めて、「私の」行動指針(My Principle)として書きます。
フィロソフィーとプリンシプルは、次のような違いがあります。
- フィロソフィーは企業の哲学や経営観を示す言葉で、企業の行動原則や価値観を表します。
- プリンシプルは経営の原理原則や主義、根本方針を示す言葉です。
Philosophyはより抽象的または理論的な意味で使用されることがよくありますが、principleはより実用的で日常の状況に適用できます。
Philosophyは非常に主観的であり、個人的な信念や経験の影響を受ける可能性がありますが、principleはしばしば客観的な真実や普遍的な法則に基づいています。