私が投資を学んだ書籍のリスト。随時、追加更新していきます。
投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント
マーケット・タイミングや個別銘柄の選択に比べて、アセットクラスのアロケーションが大事だと学ぶ。
自分のお金を運用するためには、3つの重要な問題がある。資産配分、マーケット・タイミング、銘柄選択だ。資産配分とは株式や債券といった資産を、長期的にどういう割合で持っているのが望ましいかを決めること。マーケット・タイミングとは、長期的に決めた資産配分比率を維持しながら、短期的に特定の資産を売買すること。銘柄選択とは、配分比率を決めた各資産に、具体的にどのような銘柄の株式や債券を組み入れるかの問題である。
このうち資産配分がとくに重要だと、エリスとマルキールは主張する。理論的には、資産配分こそが運用成績を決める最大要因で、マーケット・タイミングや銘柄選択の影響はほとんどないと考えている。マーケット・タイミングと銘柄選択に基づいて投資をすれば、運用機関に対する報酬や証券会社に対する売買手数料など多くの費用がかかる。そして、その分だけ確実に投資リターンは下がる。このように、マーケット・タイミングと銘柄選択を行うと高くつき、得られるリターンが減ることになる。
バートン・マルキール; チャールズ・エリス. 投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント (日本経済新聞出版) . 株式会社 日本経済新聞出版社. Kindle 版.(Amazon)
ほったらかし投資術
投資に時間をかけないことを学ぶ。
投資のことで頭がいっぱいになって他のことが手に付かなくなっている方にこそ、インデックス投資をおすすめしたいと思います。どうか、投資に振り回されてしまった私の二の舞にならないでください。
何よりおすすめしたいのが、仕事が忙しい方です。インデックス投資なら少ない自由時間の中で投資運用ができますので、力いっぱい本業に邁進できます。
山崎 元、水瀬ケンイチ、『ほったらかし投資術』(Amazon)
一流投資家が人生で一番大切にしていること
一流投資家のマインドセットを学ぶ。
バフェットはパブライとスピアに、「急いで金持ちになろうとした」ゲリンは証券担保融資を受けてレバレッジ取引をしていたことを話した。バフェットによると、一九七三年から七四年の相場下落でゲリンは大損を出し、追証を請求される事態になった。(中略)
だがパブライにとって最も深く心に残ったのは、バフェットが自分自身に忠実であることだった。自身の性格や信条、好みから少しもぶれずに生きていた。昼食会でバフェットは、彼とマンガーがいつも「心の内にある採点表」で自身を評価していると話した。他人にどう思われているかを気にするより、自身の厳しい基準を自分が満たしているかどうかを気にするのだという。内なる採点表と外部の採点表のどちらに従って生きているかを確かめるひとつの方法は、自分の胸に手を当ててこう問うことだそうだ。「自分のことが大嫌いだが、世間では好人物だと思われていたいか、世間では嫌われても自分のことを大好きでいたいか」
ウィリアム グリーン. 一流投資家が人生で一番大切にしていること (pp.50-51). 株式会社 早川書房. Kindle 版.(Amazon)
金利を見れば投資はうまくいく
金利と投資がどうつながっているのかを学ぶ。
金利には、「短期金利」と「長期金利」があります。
短期金利は、一般的には期間が1年未満の金融資産の金利を言い、政策金利は、短期金利の1つです。 「政策金利」とは、中央銀行(米国 : FRB、日本 : 日本銀行等)が金融政策によって市場金利を誘導する目標となる基準金利と言われますが、簡単に言うと、中央銀行が一般の銀行に融資を行う際に受け取る金利のことです。ちなみに、日本では2006年まで公定歩合と言われていました。
堀井正孝. 改訂版 金利を見れば投資はうまくいく (p.40). 株式会社クロスメディア・パブリッシング. Kindle 版.(Amazon)
世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか
過去の歴史から、どの国家、帝国の覇権もいつか終わりを告げたことを学ぶ。
私は過去500年の主要な帝国とその通貨の興亡を見た。とくに注目したのは、現在もっとも重要なアメリカと米ドル、それ以前に最重要だった大英帝国と英ポンド、その前に力を持ったオランダ帝国と蘭ギルダーの3つである。(中略)これらの事例を見ることによって、テクノロジーと天災などが影響を与え、重要な役割を果たしてきたことが明確に見えてきた。
さまざまな時代の帝国の事例を研究して、優れた帝国は、前後150年の幅があるがおよそ250年間継続し、その中に50~100年の経済・債務・政治のビッグ・サイクルが存在したことがわかった。
レイ・ダリオ. 世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか (日本経済新聞出版) (pp.21-22). 日経BP. Kindle 版.(Amazon)
株式投資 これだけはやってはいけない
余裕資金を持っておくことの大切さを学ぶ。フルインベストメント、ましてフルインベストメントかつレバレッジのようなことをしようとしたときに見返したい一冊。
筆者が山一證券の株式部やデリバティブ業務部で運用ディーラーをしていた時の経験では、「目一杯投資した時には負けることが圧倒的に多かった」と言える。というか、手持ち資金全額で勝負をしなければならないような状況に追い込まれた段階で、もう負け戦だった。
東保 裕之. 株式投資これだけはやってはいけない (日経ビジネス人文庫) (pp.22-23). 日本経済新聞社. Kindle 版.(Amazon)
(中略)プロもしょせん人間にすぎず、目一杯勝負の恐怖感に耐えられないことが多い。
まして個人投資家が、人生設計に必要な資産形成をはかる株式投資で、「目一杯の勝負」をすることはとてもばかばかしく、危険だ。常に余力を残しながら株式投資をする習慣を身につけないと、マラソンのような長いスタンスの資産運用ではなかなか勝者になれない。
投資名人と言われる人たちは、運用資金の大半を現金のまま(あるいは普通預金などのような現金性の高い金融商品)にしていることが多い。たとえば、一〇〇〇万円の投資資金がある場合、株式へ五〇〇万円以上投資している状態は意外にも少ない。遊んでいるお金が多くてもったいないような気もするが、「余裕資金を多めに残している→いつでも次の手が打てるというゆとり→精神的に安定しているので冷静な投資判断が可能→その結果株式の運用成績も良い」という図式になる。
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理
アクティブ運用に対するパッシブ運用の優位性を学ぶとともに、レバレッジとREITの可能性を学ぶ。
大きな金額の自己資金で株式のようにリスクの高い資産に投資している投資家で、しかもレバレッジがもたらす金融リスクを受け入れる余裕があるなら、RPPを「その他の資産」というカテゴリーで保有するのも一案だろう。自己資金で株式のような高リターン資産に集中投資するのか、それともレバレッジをかけて確定利付証券を保有し、自己資金に対するリターンを高めるのがいいのかという選択だが、私は後者のほうが効果的と考えている。
バートン・マルキール. ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版) (p.398). 日経BP. Kindle 版.(Amazon)
ポートフォリオを盤石にしたいなら、保有資産の一部をREITに投資することを強く勧めたい。それにはいくつか理由がある。まず、REITは歴史的に株式に比肩する高い値上がり益と配当利回りを上げてきたことだ。その上、REITを加えることによって、一層大きなリスク分散効果が得られる。と言うのも、不動産投資のリターンは株式や他の資産クラスとの相関があまり高くないのだ。したがって、REITを加えることによってポートフォリオ全体のリスクが低下する。その上、不動産投資はインフレ・ヘッジに最も効果的な資産だ。残念ながら上場REITの数は何百もあり、その中から選んだり買い替えたりするのは簡単ではない。さらに、たった一つのREITを組み入れるだけでは不動産の種類や地域に関して十分な分散効果は期待しにくい。
バートン・マルキール. ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版) (p.436). 日経BP. Kindle 版.(Amazon)
ライフサイクル投資術
レバレッジの使い方を学ぶ。早期にエクスポージャーを大きくすることで、時間分散を実現できる。
投資で分散を使える軸は2つしかない。資産の分散、そして時間の分散だ。(中略)
これまでのところ、投資家たちは時間の分散投資が持つ潜在的な価値をまだ十分に評価していない。時間の分散投資のメリットは資産の分散投資のメリットよりさらに大きい。理由は単純で、年ごとのリターン間の相関は、銘柄ごとのリターン間の相関よりも小さいからだ。この本でぼくらは、分散投資に2度目の革命を起こそうとたくらんでいる。時間の分散投資をもっとうまくやればリスクは減らせる。そしてリスクを減らせれば、その分市場へのエクスポージャーを高めてもっと高いリターンを狙える。
イアン・エアーズ; バリー・ネイルバフ. ライフサイクル投資術 お金に困らない人生をおくる (日本経済新聞出版) . 株式会社 日本経済新聞出版社. Kindle 版.(Amazon)
金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論
分散投資、特に不動産(REIT)を組み入れることを学ぶ。
日本の公的年金を運用するGPIFは、「不動産」を投資対象としていませんが、実は、ほとんどのOECD加盟国の公的年金や、世界の有力年金基金、そしてアメリカの大学財団は、「株式」「債券」と並んで、「不動産」にかなりの資金を振り向けています。
具体的には、欧米の主要年金基金では、「不動産」に10%以上の資金を配分しているところが大多数であり、イギリスのブリティッシュ・テレコム年金基金やカナダのオンタリオ州教職員年金基金では、「国内債券」と「先進国債券」の合計額を上回る比率で、「不動産」に資金を投入しています。
不動産は、土地の立地や方角・日当たり、建物の内装・レイアウトが千差万別で一つとして同じものがなく、個別性が強い資産です。
また、不動産の売買は相対で行われるため、取引が成立するまで時間がかかり、「株式」や「債券」のような流動性・即時換金性に欠けるという側面があります。
こうした弱点は、複数の不動産をまとめて有価証券(投資信託)にしたREITと呼ばれる商品が登場し、解消されました。(中略)
ここで、「不動産(REIT)」というアセットクラス(運用対象資産)の特徴について、見てみることにしましょう。 資産運用会社アセットマネジメントOneによると、「国内不動産(REIT)」の期待収益率は年5・2%、収益のブレ(標準偏差)は19・5%です。
北村 慶. 金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論 (pp.150-151). 朝日新聞出版. Kindle 版.(Amazon)