※本記事は個人の勉強したメモであり、誤った情報を含む可能性があります。また、特定の診断・治療行為を促す、または否定するものでもありません。また、所属する組織とは何の関係もありません。
肥大型心筋症
- 肥大型心筋症(HCM: Hypertrophic Cardiomyopathy)とは、心筋の変性疾患である。
- 左室または右室心筋の不均一な心肥大により、左室拡張能の低下、不整脈をきたす。心腔の拡大を伴わない。
- しばしば、非対称性中隔肥大(ASH: Asymmetric septal hypertrophy)がみられる。
- 世界的にこれまで報告されたコホート研究では、肥大型心筋症の有病率は約500人に1人と推定され、人種差も強くないとされている。
- 肥大型心筋症患者の中には、80歳を超える年齢までほぼ無症状で経過する例も少なくなく、近年の地域在住肥大型心筋症患者の予後に関する検討では、治療法の進歩も相まって0.5~1.5%/年程度の死亡率と報告されている。
原因
- 肥大型心筋症の約60%が常染色体顕性遺伝に従う家族歴を有し、そのうち約40~60%の症例が心筋の収縮単位であるサルコメアなど心筋構成蛋白をコードする遺伝子の変異によって発症する。
- 二次性心筋症の頻度は、臨床的に肥大型心筋症が疑われる患者全体の5~10%と考えられている。多くの代謝性疾患は心肥大を呈することが知られている。

肥大型心筋症および肥大型心筋症類似心肥大の発症要因(心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)より)

肥大型心筋症類似心筋肥大を示す二次性心筋症(心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)より)
分類
- HCMはその形態により大きく5つに分類される。
- 以前は、左室流出路の狭窄の有無によって非閉塞性肥大型心筋症(HCM)と閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の2つに分類されていた。しかし、HCMの基本病態は心筋の肥大であり、肥大部位によって表現型が異なってくるため、5つに分類されるようになった。

肥大型心筋症の表現型の分類(心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)より)
症状
- HCMは、心肥大とそれにもとづく左室拡張障害が基本的な病態である。
- 無症状のこともあるが、多くは病態を反映して様々な症状を呈する。
- 症状は、酸素需要の増大する労作時に出現しやすい。

肥大型心筋症の主な臨床症状と身体所見(心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)より)
参考、引用
※本記事は個人の勉強したメモであり、誤った情報を含む可能性があります。また、特定の診断・治療行為を促す、または否定するものでもありません。また、所属する組織とは何の関係もありません。