※本記事は個人の勉強したメモであり、誤った情報を含む可能性があります。また、特定の診断・治療行為を促す、または否定するものでもありません。また、所属する組織とは何の関係もありません。
心房細動
- 心房細動(AF: Atrial Fibrillation)とは、心房各部分の高頻度で無秩序な電気的興奮によりP波が消失するとともに、心房の興奮が心室へ不規則に伝導するため、心拍リズムが不整となる状態をいう。
- AFは、その持続時間から発作性、持続性、長期持続性、永続性に分類される。
- 発作性AF: 持続7日以内
- 持続性AF: 7日を超える
- 長期持続性AF: 1年を超える
- 永続性AF: 除細動不能
- 高齢者、高血圧、弁膜症、心不全、虚血性心疾患などの心疾患や甲状腺機能亢進症などの基礎疾患がある患者に好発する。AFの主な発症要因は左房負荷で、臨床的には高血圧(左室肥大)が最も多い。
- 日本における心房細動の患者数は、2030年には108万人を超えると予測されている。
合併症
- 心原性塞栓症(Cardiogenic brain embolism)
- AFでは左房内(特に左心耳内)に血栓を生じやすく、それが流出して脳塞栓を合併することがある。これを心原性脳塞栓症という。また、全身性塞栓症も起こしうる。
- 心原性脳塞栓症は、脳梗塞の原因の約30%を占める。急激に発症するため側副血行路が形成されにくく、広範な梗塞を生じやすい。予後不良である。
- 心不全の増悪や、頻脈誘発性心筋症などがある。
治療
- AFの治療は塞栓症リスクがあれば抗凝固療法を行い、必要に応じてレート治療やリズム治療を、必要に応じてアップストリーム治療も考慮する。
- 抗凝固療法
- 心房内の血栓形成を抑制することで心原性脳塞栓症や全身性塞栓症を防ぐ。
- ワルファリン、直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC)
- アップストリーム治療
- 基礎疾患(高血圧、心不全など)の治療をすることでAFの新規発症や再発、慢性化を予防する。
- 降圧薬(Ca拮抗薬、ACEi、ARB)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
- レート治療
- 脈拍数を抑えることで拡張期を延長させ、拡張不全にともなう、うっ血性心不全を予防する。
- β遮断薬
- ジギタリス製剤
- Ca拮抗薬
- 心不全例ではアミオダロン
- 脈拍数を抑えることで拡張期を延長させ、拡張不全にともなう、うっ血性心不全を予防する。
- リズム治療
- 洞調律に戻し、維持することで動悸などの症状の改善、心臓ポンプ機能の効率化、心房内血栓の防止につながる。
- 洞調律化
- Ia、Ic群薬
- Kチャネル遮断薬
- カルディオバージョン
- 再発予防
- Ia、Ic群薬
- Kチャネル遮断薬
- カテーテルアブレーション
- 外科的治療(Maze手術)
- 洞調律化
- 洞調律に戻し、維持することで動悸などの症状の改善、心臓ポンプ機能の効率化、心房内血栓の防止につながる。
- 抗凝固療法
参考、引用
※本記事は個人の勉強したメモであり、誤った情報を含む可能性があります。また、特定の診断・治療行為を促す、または否定するものでもありません。また、所属する組織とは何の関係もありません。